#13 コンテンツ戦略って?
とかくITやデジタルといった言葉は、まるで流行のように飛び交い、私たち日本人は内容をよく理解しないまま、新しいものに惹かれてしまう傾向があるように思います。
「コンテンツ戦略」という言葉もよく聞かれますが、地味な話なので、あまり関心を引かないかもしれません。
しかし、インターネットが普及し、企業がこぞってウェブサイトを持ち始めた頃から、「何よりもコンテンツが重要なのだ」と言われ続けてきました。これは、もはや古い話です。
コンテンツ戦略(コンテンツストラテジー)の定義は明確ではありませんが、概ね以下のようなことを指します。
・ウェブにおけるコンテンツの「目的」を明確にする
・目的に沿って、制作すべき内容、構造、工程、意思決定の方法を管理する
・組織の目的に沿って、ウェブチームに共通の理解を生み出し、協力体制を作り、ウェブサイトの中身を制作・運用するための指針を決定する
いかがでしょうか?
ウェブサイトを構築・運用していく上で、誰もが思いつく、あまりにも当たり前のことのように思えるかもしれません。
しかし、私たちはこれまで、サイト内のコンテンツにどれほど真摯に取り組んできたでしょうか?
テクノロジーの進歩、あるいはトレンドに振り回され、自分たちのウェブサイトのコンテンツがきちんと伝わっているか、分かりやすいものになっているか、興味を持ってもらえるものになっているかを、落ち着いて考えることができていないのではないでしょうか?
「Webライティング」が流行したこともありましたが、それは書き方の問題であって、内容の話ではなかったように思います。
会社に限定して言えば、その内容に最も詳しいのは会社の中の人、もっと言えば経営者です。自ら書くべきなのです。
しかし、会社の全体像を改めてまとめ、それを外部の人に分かりやすく書くのは、面倒な作業です。
ここで、少し立ち止まって考えてみましょう。
そもそも、ビジネスとはそういうものではないでしょうか?
そして、それはITの知識やデジタルのトレンドとは関係がないはずです。
現在では、面倒な作業はAIにサポートしてもらうことも可能です(安易にAIに全て書かせようとする人もいるかもしれませんが、実際はそれほど楽ではありません)。
多少知識のある人なら、このような当たり前の話よりも、SEO対策やリスティング広告の運用、コンバージョン率の向上、MAツールの活用などに関心があるかもしれません。
あるいは、これらのカタカナ言葉の羅列に嫌悪感を抱くITに不慣れな人も多いかもしれません。
しかし、コンテンツに関しては、デジタルとはあまり関係がないのではないでしょうか?
つまり、誰に何を伝えるか、ということが重要なのです。
混沌とした状況ではありますが、今一度、自社のコンテンツを見直してみてはいかがでしょうか?