#37 Webサイト制作で失敗しないために!運用体制構築の重要性
企業Webサイトに関するお問い合わせで最も多いのは、やはり「リニューアルについて」です。制作会社である弊社にご相談いただく内容として、Webサイトの新規制作や修正のご依頼が上位を占めるのは当然のことと言えるでしょう。
制作会社がWebサイト制作をどのように進めるかというプロセスは、制作会社の特徴やお客様からのご依頼内容によって異なるため、一概には言えません。しかし、リニューアルの場合、一般的には、現状のサイトから業務内容を把握し、お客様にインタビューを重ねて、普段のビジネスの流れや競合他社の状況などを確認します。さらに、テクニカルな情報も収集し、それらを基におおよそのご提案、スケジュール、お見積もりなどを提示するという流れになります。
ご提案にご了承いただければ、制作担当者からサイトに掲載する素材のご提供をお願いすることになります。素材とは、コピー(文章)、図表、写真などです。Webサイト制作に慣れていらっしゃるご担当者様であれば、これらの素材をスムーズにご提供いただけますが、実際には、なかなか素材が出てこないというケースも少なくありません。(確かに、ここが一番担当者の方がご苦労される場面なので、しょうがない面もあるのですが…)
「現状のままでいいから」と言われることも多く、制作会社はサイトから情報をコピーして原稿として使用することもあります。一方で、素材のご提供が著しく遅れる場合もあり、制作会社としては非常に困ります。商品の説明文が届くまでに3ヶ月もかかった、という事例もありました。もちろん、事前に提出期限をお伝えし、何度も催促したにもかかわらずです。
このような状況になると、制作会社としては見積もりを再提出せざるを得なくなることもあります。場合によっては、「こちらで素材をご用意しましょうか?」という話になるかもしれません。制作担当者のスケジュールが大幅に狂ってしまうからです。
少し昔の話になりますが、私たちがWebサイト制作を始めた頃は、Web制作会社が依頼企業の素材一式を自ら用意するのが一般的でした。原稿やコピーも一生懸命考えて書いていました。商品やサービスの説明も、紙のパンフレットを参考にしたり、書店や図書館で調べたりして作成していました。専門のライターに依頼することもありました。現在でも、ライターに依頼することはあるかと思います。
当時、依頼する側も依頼される側も、Webサイトに何を掲載すればいいのか、どのように活用すればいいのかが分からず、試行錯誤していたのです。制作会社としては、そのノウハウを蓄積するために自ら作業していた側面もありました。依頼した企業も、制作会社が作成した文章を添削しながら、どのような文章にすればいいのかを共に考えていたのです。
話を戻しますと、Web用の素材の収集が遅れる背景には、依頼企業側の社内事情が大きく影響していることが多いです。理由としては、社内にWeb担当者がいない、もしくはWeb担当者がいても、会社のオフィシャルな情報を自分の判断で公開できる権限がない、などが挙げられます。つまり、よくある「原稿集め」を社内で行うことになっている場合、企業のオフィシャルサイトである以上、原稿を依頼するにしても、各担当部署に依頼して集める必要があるわけです(文字通り「書き集める」)。
中には、自分より立場が上の人に依頼しなければならなかったり、文章を書くことが苦手な人に頼まなければならなかったりすることもあるでしょう。さらに、社内の誰もがWebサイト制作に協力的とは限らないため、担当者としては、依頼することだけが自分の責任であり、原稿が出てこないのは自分のせいではない、という考えになるのも無理はありません。その結果、もはやwebサイトやコンテンツについての善し悪しなどの判断はせず、とにかく会議の招集をして、悪しき意味での合議制に委ねてしまうような担当者も出てくるわけです。
このように、サイトの方向性や体制が決まっていない状況で制作開始すると、Webサイト制作は、制作に取り掛かる前の段階でつまずいてしまうことがあるのです。
制作会社側は、素材の遅延という事態を経験上予測しているため、事前に「体制を整えてください」「サイトの目的に沿ったコンテンツにしましょう」といったことをお伝えしているはずです。
しかし、実際には、素材さえ揃えばWebサイトはできてしまうため、制作会社はとりあえず催促しながら待っていれば何とかなると考えてしまいがちです。そのため、それが依頼企業にとって本当に良いサイトなのかどうかは、後回しになってしまうこともあります。
Webサイトリニューアルの完成形は、単にサイトを制作するだけでなく、運用体制を構築することまで含みます。しかし、むしろ、完成形というより、リニューアル前に、制作を依頼する前に、体制を検討しておくことが重要なのです。
ただし、運用体制を作り上げることはサイトを作り上げることより遙かに難しいことであるというのことも承知の上ではあるのですが…。