#263 【編集後記】「あとがき」から読む、中小企業のためのWeb生存戦略(全4回まとめ)
「あとがき」というまとめ。
「デジタルが苦手な中小企業のための『負けない』Web戦略論」と題して、全4回の連載はこれでおしまいです。
普段お付き合いしている中小企業の社長さんたちに、Webサイトのことをできるだけポジティブにとらえてもらおう、というくらいの気持ちで書き始めたものです。
以前から思っていたのですが、極めて高い技術や、素敵な人柄、面白いサービスを持っているのに、伝えることが下手(といっては失礼なんですけど)なせいで、あるいは、いわゆるデジマ(デジタルマーケティング)の隆盛のせいで、ネット上で埋もれてしまうのはいかがなものか?と。そして、社長さんたちご自身も、それに忸怩たる思いを抱えていることもわかっていました。
そもそもそういった中小企業の魅力は、宣伝が下手なのではなく、「わたしたちは〜である!」と説明的に断言できない「余剰部分」にあるわけです。 そうでなければ、世の中は、はっきり断言できて、宣伝も上手で、お金もたくさん使える大きな会社一色になっていたはずなのです。
そんなこんなの折、生成AIの登場で、またぞろ中小企業の方々にはよくわからんし、頭の痛い時代になったものだと。案の定、巷には「AIで売上げ倍増!」とか「SEOで圧倒的な集客を!」などという威勢のいい言葉がいけしゃーしゃーと暴力的に発せられるわけです。
そういうことじゃあないんだよなぁ…と口ごもってしまう経営者の人たち。彼らになんとか伝わる言葉はないものか?と、連載を書いている間ずっと考えていました。
うまく、伝えられたかどうかわかりません。
ま、でも少しはそういう中小企業の経営者のミカタとして、伝わればと思っています。
忙しい経営者の皆様のことですから、いきなり第1回から長々と読んでいただくのは忍びない。 なので、この「あとがき」にたどり着いた方のために、全4回の「超・要約」を置いておきます。 気になったタイトル、あるいはご自身の「モヤモヤ」に一番近いところから、つまみ食いならぬ、つまみ読みでもしていただけたら幸いです。
▼第1回:『検索窓には入らない、私たちの「野暮」な誇りについて』
名刺交換のたびに、「御社は何屋さんですか?」と聞かれて口ごもってしまう社長へ。それはあなたが無能なのではなく、既存のWeb(SEO)が強いる「わかりやすさ」が暴力的すぎるからです。その「含羞(恥じらい)」の正体について書きました。
【第1回へ】
▼第2回:「御社の強みは何ですか?」なんていう、退屈な質問には答えたくない。 -「〜ではない(Not)」の否定の中に本質が宿る-
コンサルタントが喜ぶような「ポジティブな強み」なんて無理に探さなくていい。むしろ「うちは〇〇ではない(Not)」という否定の連鎖(残りカス)の中にこそ、御社の本質が宿っているという、少し哲学的なお話です。
【第2回へ】
▼第3回:「人間には詩(情緒)を、AIには論理を」。 —説明過多なWebからの脱出と、戦略的二枚舌のススメ—
検索エンジンに媚びて、Webサイトをつまらない「取扱説明書」にするのはもうやめましょう。表側では人間のために「自由な表現(ポエム)」をぶちまけ、裏側でAIにこっそり「論理(構造化データ)」を渡す。これからの時代の「戦略的二枚舌」のススメです。
【第3回へ】
▼第4回:(かすかな希望編)勝つためにではなく、負けないためのWeb戦略の考え方
大企業の資金力には勝てないかもしれない。でも、他人やAIに自社を「勝手に定義される」ことには抗えるはずです。一方的に言われっぱなしで終わらないための、ギリギリの「主張」と、かすかな希望についての最終回です。
【第4回へ】
―いかがでしょうか。 大企業のようにデジタルの世界で「大勝利」することはできないかもしれない。 でも、小さな会社が「ここにいるぞ」と声を上げ、負けないための戦い方は確実に存在します。
もし、この「あとがき」を読んで、少しでも喉の奥の小骨が取れるような感覚があったなら。 ぜひ、第1回から(あるいは気になる回だけでも)、本編の「路地裏」へ足を踏み入れてみてください。
(編集後記 了)
