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#67 第4回 「戦略的コンテンツ設計」で成果を最大化:問い合わせを増やし、売上につなげる

May 06, 2025By 徹全 TETSUZEN
徹全 TETSUZEN
第4回 「戦略的コンテンツ設計」で成果を最大化:問い合わせを増やし、売上につなげる
Webマーケティングの落とし穴 - コンテンツ戦略という視点

1. はじめに:Webサイトを「もっと使えるパートナー」に
中小企業の皆様、Webサイト、もっと頼れる「パートナー」にしませんか?

問い合わせを増やしたい、新しい仲間を迎えたい。そう思っても、何から手を付ければいいか分からない…そんなお悩み、よくお聞きします。
実際、中小企業がWebサイトに期待する主な目的は「営業活動」と「採用」であることが多いのではないでしょうか。

今回は、Webサイトをそんな「役立つパートナー」にするための、無理なく始められるコンテンツ設計の考え方をご紹介します。

2. 各コーナーを「ちょっと意識する場所」へ:具体的な役割とヒント

Webサイトの各ページ、ちょっと意識を変えるだけで、もっと効果的に使えるようになります。難しく考える必要はありませんが、Webサイトの各コーナーを単に情報を掲載するだけではなく、どのような意図を持って、誰に何を伝え、どのような行動を促したいのかを考えてみること。それがコンテンツ戦略の出発点となります。

トップページ:
最初の「あいさつ」を丁寧に
素敵で個性的なデザインも大切ですが、まずは「私たちは何をしている会社で、何ができるのか」を分かりやすく伝えることを意識しましょう。そして、「もっと知りたい」と思ってもらえるように、各ページへの入り口を分かりやすく示すことが大切です。
バカにしているわけではありません。サイトに訪れた人がぱっと見て、なんの会社か?わからない場合ありませんか?
実は考えてみると難しいんですね。競合他社との差別化したいし、ありきたりでは嫌だし、細部の差異にこだわってしまいがち。

サービス・製品ページ:
「私たちの得意」を具体的に
専門用語や商品説明をずらりと網羅的に並べるのではなく、「この製品やサービスを使うと、お客様のどんな困りごとが解決できるのか」を、お客様の言葉で語りかけるように伝えてみましょう。
「ストーリー」が大事とよくいいいます。そう、お話をするようなイメージで。
わかりやすいストーリーとしては事例紹介があります。それをみたお客様は自分の会社の規模と同じくらいだとか、同じような業種だとか、同じようなリテラシーをもっていそうとか、勝手に具体的なストーリーを想像してくれます。
事例紹介は作りやすくて、有意義なコンテンツになるので、ぜひ、検討してみてください。

会社概要ページ:
「私たちのこと」を知ってもらう
会社概要をナメてはいけない。どこにもなく、自社だけが取り扱っているサービスや商品があるなら話は別ですが、商品やサービスはともすればほぼ同じものを扱っている会社があることは当然でしょう。絶対に他社と差別化できるところがあるとすれば、社長のキャラクターであったり、会社の歴史であったり、そこで働く人がどんな人なのか?つまりはその会社がどんな会社なのか?なのです。共感を呼ぶコンテンツで顧客とつながりましょう。

お問い合わせページ:
「話しかけやすい窓口」に: 「ご不明な点はこちら」「まずはお気軽にご連絡ください」といった、ちょっとした一言があるだけで、お客様は安心して問い合わせやすくなります。よくある質問とその回答(F.A.Q.)をまとめておくのも親切です。(ただし、F.A.Q.は適宜メンテナンスを)
できるだけ多くのお問い合わせを獲得することが重要です。なかには、問い合わせを躊躇させるような印象を与えるWebサイトも見受けられますが、それは機会損失に繋がります。もったいない!

ブログ・事例紹介ページ:
「得意なこと」「お客様の成功」を共有: 
難しい専門知識をひけらかすのではなく、「私たちの得意なこと」や「お客様がどんな風に良くなったのか」を、肩の力を抜いて発信するイメージです。日記のような気軽さでかまいませんが、日記と言われると逆に構えてしまうかもしれませんね。そう、続けることが大切なのです。そのためには「小出しにする」という裏技もアリです。
採用を考えている場合は、社内の雰囲気が伝わるような内容もいいかもしれません。


3. 「次の一歩」をそっと示す:無理のない導線設計


Webサイトの中で、お客様や採用候補者に「次は何を見てほしいか」を、さりげなく示すのが導線設計です。「〇〇はこちら」「もっと詳しく」といったリンク一つでも、意識するかしないかで大きく変わります。制作会社に丸投げするのではなく、「この情報を見た人は、きっとこれも気になるだろうな」「ここを見てほしいな」という視点を伝えることが大切です。
導線はストーリーの組み立てです。お話の流れだと考えていただいてもいいでしょう。検索エンジンを経由してサイトに訪れる顧客に対して、どこから読んでも一定のストーリーを理解してもらえるようにできれば理想的ですね。
ただ、導線設計には禁じ手(やらないほうがいいリンクなど)もあります。制作会社の担当者にも相談して無理のない導線を作りましょう。


4. 「ピンポイント」で伝えるランディングページの考え方


ランディングページは、何か特定の目的(キャンペーン、資料請求、採用など)のために作る特別なページです。だいたい1ページですから、あれもこれも詰め込むのではなく、「これだけ!」という情報を絞って、見た人がすぐに行動に移せるように設計します。例えば、資料請求なら資料請求のことだけを、採用なら仕事の魅力だけに焦点を当てます。ランディングページには必ず次のアクションの受け皿が必要になります。
次にどんな行動をしてもらいたいのか?それはなにをすることなのか?
はっきりわかるように記載することが大切です。
流入経路(広告やSNSなど)とコンテンツの内容との整合性も大事です。流入してきたユーザーの期待してる情報を提供しなければなりません。期待した疑問を解決できない内容であればすぐ離脱されます。
なので、制作会社にデータ渡して「ランディングページ作って!」というだけではまともなものにはならないと肝に銘じましょう。頭を使え!


5. 「価値ある情報」が自然と見つかる:SEOの無理しない考え方


SEOというと難しく聞こえますが、基本はお客様や採用候補者が知りたい情報を、分かりやすく丁寧にWebサイトに書くことです。小手先のテクニックよりも、「この情報ならきっと役に立つ」と思って書いたコンテンツは、自然と検索エンジンにも評価されます。焦って特別なことをするよりも、まずは「価値ある情報」をしっかりと届けることを意識しましょう。
SEOマニア(SEO至上主義者?)らしき人もいるようなのですが、まずはコンテンツ!その上でテクニカルなSEO対策を考えましょう。

6. まとめ:「ちょっとした工夫」でWebサイトは変わる


Webサイトを「もっと使えるパートナー」にするために、今日からできるちょっとした工夫があります。難しく考えるのではなく、「誰かの役に立つ情報を届けたい」という気持ちで、できることから始めてみませんか?
情報は「相手に伝わってはじめて情報になる」のです。

次の記事では、作ったコンテンツを「もっと多くの人に見てもらう」ための、具体的な方法についてご紹介します。


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【中小企業のためのコンテンツ戦略入門】

第1回 中小企業が「コンテンツ戦略」で勝つ! :DX時代の新しい競争ルール

第2回 「コンテンツ戦略」の基本をマスターしよう :Webサイトをビジネスに活用するための考え方

第3回 「魅力的なコンテンツ」で顧客を惹きつける:Webサイト訪問者をファンに変える方法

第4回 「戦略的コンテンツ設計」で成果を最大化:問い合わせを増やし、売上につなげる

第5回 「コンテンツの質」を高める:編集・制作・管理のノウハウ